2026年9月30日、東京地方裁判所で判決が言い渡されました(令和7年(ワ)第70635号投稿記事削除請求事件)。
この訴訟は、津田健次郎氏の声を生成AIで模倣した動画に関するものです。
裁判所は、「人の声は肖像と同様に個人の人格の象徴である」と明確に位置付け、実演家等の声を無断で使用する行為について、その声が持つ顧客吸引力を専ら利用する目的である場合はパブリシティ権の侵害に当たり得ると判示しました。また、日本の裁判所として「声」がパブリシティ権の保護対象になり得ることを明示的に認めた初めての司法判断となります。
東京地判令和8年9月30日裁判所HP参照(令和7年(ワ)第70635号投稿記事削除請求事件)<https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-97097.pdf>
当事務所コラムのご案内および補足
なお、今回の判決における「声の法的保護」についての具体的な考え方や実務的背景は、声の権利 パブリシティ権の観点も含め、SJ知財弁理士事務所の以下の知財コラムを参照ください。
法務省「声の権利」指針が示す生成AI時代の新たな保護法理https://sjipo-otagiri.com/?p=44
【本判決に関連する補足情報】 2026年8月7日に法務省が公表した「生成AIによる肖像・声の無断利用に関する解釈指針」では、声や肖像の無断利用について「パブリシティ権や人格権(みだりに利用されない権利)の保護対象に含まれる」とする行政解釈が整理されていました。今回の判決は、この法務省指針の解釈枠組みを裁判所として初めて司法判断に採用・定着させた画期的な例となります。上記コラムと併せてお読みいただくことで、行政指針と最新判例の両面から、生成AIを用いた音声利用に関する法的リスクの最新動向をより深くご理解いただけます。