2026年8月18日、内閣府の「AI時代の知的財産権検討会」において、生成AI事業者に対する「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」案が示されました。
このプリンシプル・コード(基本原則)は、生成AIの技術発展と知的財産権の保護を両立させるため、生成AIの開発者・提供者に「透明性」と「説明責任」を求めるものです。法律による一律の規制ではなく、「実施するか、実施しない場合にはその理由を説明する」という「コンプライ・オア・エクスプレイン」の考え方が基本となっています。
主なポイントは3つです。
① 透明性の確保
生成AI事業者は、使用モデル、学習データ、責任体制、知的財産権を保護するための措置などについて、その概要を公開することが求められます。
② 権利者への情報開示
著作権等の権利侵害を主張し、法的手続を行う者等から、特定のコンテンツが学習データに使用されたかなどについて開示を求められた場合、一定の回答を行うことが求められます。
③ AI利用者への情報開示
AIによる生成物と同一・類似するコンテンツについて、利用者から学習データとして使用されたか等の開示を求められた場合にも、回答することが求められます。
企業が今から注意すべきこと
生成AIを開発する企業だけでなく、生成AIを自社サービスに組み込む企業も、今後は**「どのAIを、どのデータで、どのように利用したのか」**を説明できる体制が重要になります。
特に、①学習・利用データの権利関係の確認、②AI生成物の著作権・商標権・意匠権等の侵害リスクの確認、③AI利用に関する社内規程の整備、④利用したAIサービスやデータの記録・保存、⑤AI事業者との契約における責任分担の明確化、が重要です。
AIの利用は「便利だから使う」段階から、「知財リスクを管理しながら使う」段階へ移りつつあります。企業の法務・知財部門には、AI導入の推進役であると同時に、知的財産を守るガバナンスの役割が求められています。